人民大会堂・北京


2003年 中国大学ランキング(総合)
2003年 中国MBA人気度指数


外灘・上海


表 2003年中国大学ランキング(総合)

大学名

評価指数

1

清華大学

213.81

2

北京大学

183.13

3

浙江大学

169.72

4

Fu旦大学

126.52

5

華中科学技術大学

110.92

6

南京大学

106.01

7

武漢大学

98.74

8

吉林大学

97.72

9

上海交通大学

94.91

10

中山大学

86.12

【出所】『中関村』2003年第1期(原典:広東管理科学研究院「中国大学評価」課題組).
※近日、中国統計出版社『挑大学
選専科』出版予定(2003330日現在).
他、2002年中ランキングについては「全国学位興研究生教育発展中心」『一級学科整体水平排名』を参照のこと.

 

表 2003年中国MBA人気度指数

大学名 学院名

指数

1

北京大学 光華管理学院

85.65

2

清華大学 経済管理学院

85.07

3

about RBS... 中国人民大学 商学院 about RBS...

63.24

4

中欧国際工商学院

59.23

5

上海交通大学 管理学院

59.01

6

Fu旦大学 管理学院

58.9

7

南開大学 国際商学院MBA教育センター

52.37

8

対外経済貿易大学 研究生部

49.69

9

同済大学 経済管理学院工商管理系

48.25

10

中山大学 管理学院

47.33

【出所】『新財富』20032月版.



随筆として...

我校“人大”(母校「人民大学」):

 中国人民大学(以下「人大」)は、国務院(日本の内閣に相当)が校長を任命する国家の重点大学(国家教育委員会直属)で、社会科学と人文科学を主とし、他に情報科学や環境科学などの学部を擁する総合大学です。とりわけ、管理科学分野(経済・経営管理と近代史関係)が有名で、海外の大学等研究機関との学術交流も盛んです。それを示すが如く、最近は「ユーロの生みの親(中国語:「欧州之父」)」と称されるノーベル経済学賞受賞(1999年)のロバート・マンデル氏が公演に来ました(03年3月、於:人大科研楼)。話は少しズレますが、ロンドン大学のLSE(London School of Economics and Political Science)は北京でビジネス・スクールを開校したいという噂です。つまり、マンデル氏が国家機関でなく人大で公演を行ったのには何か理由がありそうだと思うのです。マンデル氏もLSEで修士号を取得していますし、残るは「グローバリゼーション関連」で有名なLSE校長のアンソニー・ギデンス氏が公演に来られれば、もしかするとLSEと人大の提携が実現するかも…。しかしながら、ギデンス氏は1998年に江沢民 氏の招聘により、既に中国社会科学院で公演を行っており、やはり実際に提携となると…社会科学院が有力でしょうか。欲を言えば、以前にLSEの教授であったアマルティア・セン(1998年のノーベル経済学賞受賞)氏も人大に来て頂けると非常に嬉しいです。身近に(私自身、東京ではこんなに身近に公演を聞けるチャンスは少ない)公演を聞けることはありがたいことです。

 話しを戻しまして、人大の前身は1937年に設立された陜北公学です。以後、華北聯合大学、華北大学となり、1950年に人大が正式に成立しました(詳しい沿革は「人大ホームページ」を参照のこと)。人大は、中国共産党が初めて設立した新しい総合重点大学で、数々の著名な方を送り出してきました。人大には、大学院と25の学部(うち8の系を含む〔学院は独立、系は大学自体に属すが、日本的に解釈するとどちらも学部となる〕)、13の大学に属す研究所があり、56の学士号授与課程、8の第二学士号授与課程、91の修士号授与課程、64の博士号授与課程、9の一級学科授与コース、8の博士取得後の流動站(日本でいう教員の「流動」とは異なり、博士取得後の一定期間に教歴・研究歴を積む機関)等があります。教員数は1221名、教授347名、助教授517名、大学院教授(博士課程)326名であり、その他に名誉教授や兼任講師等がおります(以上、02年8月現在の数値)。他に、人大には敷地内、敷地周辺に幼稚園から小学校、中学・高校まであります。人大の先生に聞けば、エスカレータ式ではなく一般の受験者と同じ試験を受けるそうです。もちろん、それぞれの優秀者には推薦制(他に科目試験あり)度もあるそうですが。
 現在、人大は更に様々な分野で活躍できる人材を育成するために、様々なシステムの構造改革、施設などの新設を試みています。学部の全日制本科教育はもちろんのこと、研究性教育(日本の大学院に相当)に力を入れ、国内でも際立って高い教育レベルにあります。しかし、中国の大学でいつも驚かされることがあります。それは学生の質です。質とは言えないかもしれませんが、その勉強量は多いです。例えば、一般的には学内寮で8〜5人の共同部屋(院生は4〜2人)で4年間を過ごすのですが、やはり他人が部屋にいると勉学に集中できないという感じで、人によっては夜でも教室へ行きます。そして…なんと夜中の3・4時でも普通に(眠くないのかな?)勉強している人が結構います。また、学食が閉まる直前まで食堂で勉強する学生も多いです。その成果が際立って分かるのは、外国語学部の学生です。私は以前、上海外国語大学(以後「上外」)にいたのですが、学生の語学に対する努力は凄いです。朝は6時頃から校庭で音読(一般に授業開始は8時)、午後は体を動かし、夜は薄暗い廊下などで窓に向って外国語を一人で喋っている(長文でも暗記している様子)。この生活が4年続いたら…それは素晴らしいです。本当に日本人と変わらないぐらいにまで喋れるようになる人も多いです(とはいえ、高中から英語を止めて日本語など他の外国語を勉強できる教育体制なのも事実ですが…)。と、また話が脱線しましたが、更に脱線すれば、やはり人大や上外はエリートなのでしょう。近年は私立大学も増え、その状況は詳しく分かりませんが、以上は少なくとも伝統校として、国家の一級重点大学としての誇りがあるようです。
 さて、学内に図書館は…実は結構あります。私の知る範囲(=行動範囲)だけでも4ヵ所にも分散しています。その設備も他大学に比べると先進的だと思います。現在も図書館の移転が行われており、今後は一部をコンピュータ棟(教学四楼)周辺に移転し、コンピュータを使って検索できたり閲覧できたりする…らしいです。なぜなら、人大の図書館は教育部(文部科学省)の文科文献情報センターの1つ(全国に16ヵ所のみ)に指定されており、250万冊以上の図書(経済学・法学・哲学・歴史学が多い)が収蔵されています。大学の出版社は、新中国成立以後に設立された最初の大学出版機構で、指定教材や統計書、各種レポート等の重要な出版を行っています。日本でも、人大出版社の文献に目を通したことのある人も多いと思います。

我校“人大商学院”(母校「人民大学商学院(ビジネス・スクール併設)」):

 成人高等教育(本科教育と研究性教育)に力を入れているのには訳があります。人大は国務院に初めて批准された正式な研究生院(大学院)を擁しており、なかでも商学院は人大で最大の学院です。1950年代初めに成立した工業経済系と貿易・経済系などの経済管理系が前身で、1988年に工商管理学院が成立し、以後2001年に工商管理学院と会計系のもと商学院が成立しました。学部は、企業管理と産業経済学、会計学が全国の重点学科とされ、他に貿易経済、マーケティング、財務管理などの本科課程があります。大学院では、産業経済学、企業管理、会計学、財務管理、マーケティング、流通経済などの博士課程があり、修士課程は産業経済学、企業管理、会計学、国際貿易などの専攻があり、他に工商管理修士(MBA)課程もあります。商学院は現在、2,963人(本科1,457名、修士〔MBA除く〕296名、博士210名、MBA1,000名)が学んでおり、教員数は125名(教授34名〔博士課程23名、兼任博士課程5名〕、助教授52名〔修士課程46人〕、講師34名、助手5名)で、海外での留学・研究を積んだ先生方が多いです(博士号取得者43名、博士課程在籍者29名)。

 大学院での講義は一般に、修士課程では教授がテキストを朗読して、大学の延長にあるような感じを受けていました(1990年代前半の経験から)。しかし、人大は異なるのか、時代的なものなのか、人大商学院の教授(少なくとも私の知る産業経済学・貿易経済の先生方)は違います。「何が一番重要か」「どのような講義を進めているのか」「学生は何を求めているのか」等、思うがままに先生方に伺うのですが、やはり商学院である以上、近年の北京大学や清華大学に負けないぐらい(?)実例分析に重点を置いているようです。確かに理論も大切だと思いますが、これだけ変化の激しい中国経済で何を欲するかといえば、やはり日々の政策動向と市場での問題意識を持つことなのではないかと思っています。それをどのように活かすが先生方の当面の課題となっている感じを受けます。商学院のMBAコースは、教育部が初めて批准した9ヵ所のうちの1つです。また、E-MBA(Executive-MBA〔「職MBA」という〕)は国務院が初めて批准した中外合作(米国ニューヨーク州立大学バッファロー校との合作)による学位授与単位で、英語での講義を中心とするとともに、学生間での議論をも重点に置いています。このコースは非常に人気があり、中国にある有名な多国籍企業や国有企業の役員、私営企業の社長や会長までが集まってくるそうです。平日の夜や土曜日になると、こうした方々が車で通学して来ます。この状況は以前、私の父(前・北京大学光華管理学院訪問教授)がどこかの雑誌に書いていたように、北京大学の状況とも変わらないようです。
 一般に、大学を評価する一つに研究所の数が問われます。商学院は10数ヵ所が併設されており、リスク投資発展研究センター、中小企業発展研究センター、企業発展戦略研究所、工業経済と管理科学研究所、市場調査研究所、マーケティング研究所、政策科学研究所、財会理論研究所、会計と財務管理研究所、MBA職業発展センター、日本研究センターなどがあります。この点、早稲田大学の試みは社会的にも評価できるものだと思います。国庫補助や民間からの寄付、大学の一部負担、教授個人の自己負担等、研究に対する環境や制度が異なるので一概にはいえません(なお、中国の大学におけるインセンティブ制度は「こちら」をご覧下さい)が、総じて日本の大学には研究所が少なく思います。教授個人の研究室にて研究活動を進めるよりも、より対外的にアピールすることで、個人に対するインセンティブや外からの何かしらの接触機会が多くなると思います(しかし、早稲田についての不満を少し言わせて頂ければ、なかには研究会でさえも会員制にし、会員から月々の運営費等〔しかも高い〕を徴収する先生もおられます)。
 そして、図書館ですが、商学院内の図書館には1万冊以上の書籍があり、他に雑誌が200種以上、資料や論文などがあります。資料で思い出しましたが、人大の場所を説明していませんでした。人大は北京の北西、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる中関村に位置しています。周辺には、場所柄、IT関連の企業も多く、また頭脳集積地としての北京大学・清華大学・北京理工大学などとも近く、まさに「学園都市」とも言えるでしょう。加えて、人大から南に下れば国家図書館がありますし、その周辺には国家級のシンクタンクが多くあります。こうした環境にあり、私はとりわけ天則経済研究所の若手研究者の方と良い関係を築くことができました。

【感謝 許建明先生 楊培鴻先生 唐傑先生(祝成功在普林斯頓大学〔Princeton Univ〕学習!)等青年専家們平時的交往】
 資料をお願いして行くと、頼んでいた資料以外にも様々な資料や論集を頂いたり、時には人大商学院の図書館への「運び屋」に変身したりしています。こうした関係がいつまで続くか分かりませんが、将来的には研究を通じた関係に発展することを願っています。また、彼らと話をしていて、やはり「下積み期間」は日本の博士課程在籍者と変わらない気がします。つまり、精神的にも体力的にも苦労が多く、それが生活に直接的に結びついていないと感じます。しかし、彼らの表情を見ていると、やはりエリートですから誇りもあり、自信に満ちている口調で話してくれます。私自身、華僑・華人でもないのに、これまでに2度も中国で教育を受けさせてもらっています。しかも現在は、中国政府招聘シニア・スカラーとして、中国政府から「工資(月給)」を頂いている分、将来はどのような形になるか分かりませんが、何か中国側に恩返しが出来ると嬉しいです。一度でも中国の大学の教壇に立てれば…とも思っていますが、どのような形で実現するかは分かりません。それでも、願うは学術交流を盛んにしたいと思っており、中国「知識分子(学識者)」の「走出去(海外進出)」を実現していきたいと思っております。

(2003年3月30日)

    校是:

  実事求是

  為了中国学術




中国人民大学  中国人民大学商学院

連絡用 E-Mail:yasugi@ac.fm
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